ネット販売の光と影

不良品は発生する

販売するすべてのものは、良品でなければいけません。人に売るすべてのものは、その商品が持つ本来の機能、本来の価値を具現化したものでなければいけません。

そのようなことは「当たり前」として認識すべきことで、販売している会社の体制などにもよりますが、検品や検収などのフローはだいたい組み込まれているはずです。それでも、私たちが人間である以上は「完璧」にはなれないもので、本当の意味の100パーセントというものはあり得ないのです。私たちは機械ではなく「人間」です。時には高い集中力を発揮し、機械のように寸分たがわぬ精度を発揮することもあるでしょう。対して疲れていたり、体調を崩していたりすると普段のパフォーマンスが発揮できないということも多々あるでしょう。人ですから、そのような時もあります。そのような状態をフォローするために必要なこともあります。

そのようなさまざまな状態があることも前提として、人手が足りないなど、さまざまなことがあることも前提として、何かを提供する以上はそれらの全てが「良品」であることが大前提です。売っているそれらのアイテムはすべてが人に提供できるレベルのものであることが前提です。ただ、それでも「不良品」は発生します。とても低い確率かもしれませんが、必ず不良品は発生するのです。

そのような「不良品が発生する」ということを念頭に置くことと、良品だけを届けるということは相反することでもあります。ただ、「良品だけを提供するから不良品は発生しないはずだ」ということでは、不良品があった際に対応できないのです。だから「不良は発生する」という前提のもと、ワークフローを考えるのです。ない「はず」ということと、実際は違います。どのような仕事にも問題点というものはあります。それらの問題点を解消していくことは、仕事をする上での永遠の課題でもあります。私たちの日々の仕事にも「完璧」というものなどはなく、常にミスがつきまとう状態です。ミスは起こってはいけないものですが、それをヘッジするための体制も一方では整えているものです。

何かを販売する際、「不良もあるかもしれない」という前提で仕事の形、仕事の流れを考えれば、不良品がお客様の手元に届いてしまった際の対応などはある程度体系化できるはずです。「たまにしか起こらない」ということであっても、その都度右往左往していてはとても非効率です。ですから「マニュアル」として不良品への対応を心得ておく必要があるのです。

また、お客様にとって、その購入が初めてだったりすると「この販売サイトは不良品を届けるのか」と憤ることでしょう。そのような憤りが人に伝わってしまうということもあるのです。現在はなんでも人とシェアしてしまう時代です。自分が感じた「良い事」、「悪い事」はその人の気分次第で他の人に伝わっていくものなのです。ですから、万が一の確率で不良品を手にしてしまった人に対しては、手厚いフォローが必要です。こちらに連絡する、返品する、などという「手間」をかけさせてしまっているのですから、それらの労力を相殺して余りある対応が求められます。憤りは人によって違うものですし、性格などでも感じ方はさまざまでしょう。だからこそ、最大限のフォローが必要なのです。