ネット販売の光と影

返品・返金のルールはお店次第

なにか「モノ」を購入すると、それに「不具合」があったりするものです。モノを購入した際には「クーリングオフ」というルールが適用されます。それは一般的な物販の「返品、返金」のルールです。

ですが、店舗によって「顧客サービス」の一環として、そのクーリングオフに加えてさらに返品や返金のルールをつけている場合もあります。例えば電子機器などであれば、「使用環境に合わなければ返品、返金可能」というようなルールです。そのようなルールを打ち出すことで、「まずは商品を手にとってもらおう」という「施策」です。その商品をはじめて見たお客さんに対して、とりあえず商品を手にとってもらおうという試みです。そのような取り組みを続けることで「新規」の顧客、そして新商品に対して興味をもってくれる顧客にアプローチすることができます。

現在ではさまざまな商品がさまざまなサイトで取り扱われています。通販限定の自社商品でなければ、なかなか取扱商品で独自性を出すことは難しいものです。WEB限定という括りであっても、他の販売サイトで売られているかもしれません。それは他社の販売サイトであっても「WEB」だからです。独自性を確保するためには、「店舗」としての「ルール」にまで着手しなければ他サイトとの差別化を図ることは難しい時代なのです。

それらの「ルール」は店舗としての運営方針として定められるべきであり、「販促」のために一時的に設けるようなものではありません。そのルールによって販促側、そして受注部門、さらには物流、経理にいたるまで、運営のルールが定められてしまうのです。サイトとして顧客に対してコミットするルールは、運営側も熟知したものでなければいけません。それによって顧客対応が変わったり、運営のフローが変わったりするものなのです。

時代の流れは「サービス」という点に注目が集まるようになっています。顧客は「自分がどれだけ得できるのか」という点を特に重要視します。自分が得できないようなルールは嫌悪し、自分が特をするルールは「当然だ」として受け入れるものです。ですから、いくらユーザーフレンドリーなルールを導入しても、顧客に対しての販促効果はそこまで高くはないのです。ただ、サイトとして、販売事業として、他社との差別化にはなります。

ただ、ルールによって「買うはずのなかった商品」が購入されるわけではありません。その点だけは十分に注意したいところではあります。ユーザーフレンドリーなルールを設けているからとって「購入してくれ」ということにはならないのです。あくまでも「良い商品」がそこにあって、「買いたい人」、「買いたいと思った人」がそこにいて、はじめて成立するものなのです。

サイトの基本ルールは、一見地味ではあるものの、顧客対しての効果がジワジワと効いてくるものです。また、そのサイトを運営している企業の「姿勢」でもあります。返品、返金ルールはもとより、使い方の問い合わせなどの「サポート」にまで着手できれば、そのサイトには「ファン」が必ずつきます。そのような姿勢を無意識のうちに好ましく思うユーザーが増えてくれることで、自然と販売効率も上がっていくものなのです。