ネット販売の光と影

通販には倉庫が必要です

誰かに何かを売っている以上、それを買ってくれた人に「届ける」必要があります。買わせておいて「届かない」ということは「詐欺」です。

通販と物流というものは切っても切り離せない関係にあります。電子データの売買でない限り、その「商品」は顧客に届ける必要があるのです。昨今ではインターネットで購入したとしても、当日や翌日に届くことが当たり前になっています。それはその商品を効率的に管理し、オーダーがあった際迅速に発送できる物流基盤があるためです。大手販売サイトのamazonでは、自社で巨大な倉庫を構え、しいれた商品を極めてシステマチックに、極めて合理的に管理し、オーダーに対する瞬発力を持っています。それは「すぐに届けて欲しい」という私たちのニーズに応えるためです。通販での買い物は、「それが届くまで」の時間はなんともいえず楽しいものですが、そんな悠長なことを言っていられない場合もあります。「必要だから買う」ということであれば、すぐに商品を届けて欲しいという局面もあるのです。そのような際に、「即日出荷」という対応はとても頼もしいことではあります。

そのような「モノの動き」を支えるのが物流です。販売した商品を間違いなく出荷し、顧客に届けるという役割を担っている、とても重要なセクションです。自社で独自に通信販売を展開するのであれば、そして自社で物流もすべて賄うのであれば、倉庫と物流スタッフは必ず必要です。売った商品をすぐに仕入れ、そのまま顧客に届けるということであっても、仕入先に物流機構があります。「モノ」を売っている以上、取り扱っている以上、必ずどこかにそれがストックされています。必ず誰かが物流機能を有しているのです。

自社で倉庫を構え、在庫を持つということは「すぐに届ける」という点ではとても有利なものです。ほとんどのネット販売サイトが「何時までのオーダーを締め切りにして物流の手配をかける」という仕組みを取っています。例えば午前10時までのオーダーで、その日のうちに出荷するというものです。10時以降のオーダーは、翌日の10時までのオーダーと共に締め切られるということです。このようなパターンは自社運営ショッピングモールであればごく一般的なものであり、土日祝は休む、という流れもあり得ます。

この「常識」はamazonなどの巨大サイトでは運営基盤が強固であるため、簡単に超えられてしまっている要素です。一般的な販売サイトでそのような物流基盤を自社で備えるのはなかなか難しいものです。マンパワーの問題はもちろん、コストの部分で見合わないということも考えられます。

ただ、インターネット通販で「すぐに届けてほしい」というニーズは確実にあるもので、その期待にどこまで答えられるかということは「顧客をどれだけ捕まえることができるか」ということにも直結します。つまり、「顧客サービス」の部分がどれだけ充実するかということは、小手先の販売促進よりも大きく顧客を獲得できる機会につながるのです。

物流は言ってみればインターネット販売の「裏方」です。ですが、その販売サイトの「能力」を示す指標にもなります。迅速で確実な物流は、顧客に対してとても良い印象を与え続けることでしょう。