ネット販売の光と影

受注から出荷までの期間は明確に

インターネット上でものを売るということは、「買ってもらったものはしっかりと届けます」という「約束」をしたようなものです。その商品はその顧客の手元にしっかりと渡らなければいけません。

「特商法」という通販を行う上で定められた法律があり、それに準じた表記をWEBサイト上に設置するのは最低限のマナー、販売者の義務であるとされています。その中に「届けるまでの期間」は明示されていなければいけません。もちろん、販売スタイルによって届くまでの期間は違うものですから、それも加味して書くものです。

義務はそこまでではあるのですが、ただ販売ページそのものにも「届けるまでの時間」を明記する必要はあるでしょう。届くまでにどれくらいの時間がかかるのかは、購入する上でのポイントです。ネットでの買い物というのは、ユーザーはその店舗を信用するしかないというのが現実です。自分の個人情報がどのように扱われているのか、変なDMは送られてこないのか、買ったものは良品で、しっかりと送られてくるのか、それを信じるしかないのです。「見極める」ということはなかなか難しいもので、その店舗を使ったことのある他の人のレビューを見たりすればいいものの、そのサイトの評判がない場合はどうしようもないということになります。

「翌日に届ける」と書いてあるにもかかわらず、実際には一週間もかかってしまうということは、それは「詐称」です。すぐに欲しかったものなのに、届くまでに時間がかかり過ぎるということはマイナスでしかありません。もしそのようなことがあらかじめわかっていれば、そもそもそのようなアイテムを購入しないのです。しっかりと届けてくれるところで買うものです。加えて、「仕事で必要なんだけれど」というものは届かなければ自分の仕事に差し障るものです。個人的ではなく、会社の経費で購入したりすることもあるでしょう。そのような時に「全然届かない」ということであれば、それを購入した担当者は「仕事として」問題視されることにもなりかねません。

WEBサイトに記すということは、とても重い意味を持っています。販売するということは人からお金をもらうということです。人からお金をもらうためには「責任」がついて回るのです。少しの記載ミス、少しの対応のズレが、重大なクレームに発展することもあります。重大なクレームから「訴訟」にまで発展してしまうということも考えられます。WEBページを通じて何かを売るということを続ける以上は、書いてあることに対する責任をしっかりと自覚すべきです。販売するということがどういうことなのか、顧客がいなければ商売は成り立たないのに、その顧客を遠ざけるような行為はある意味会社に対しての「背信行為」であるということも含めて、改めてインターネット通販の難しさを考えなおしてもいいのではないでしょうか。

「納期」は、販促側からしてみると一見「裏方」のことに見えるかもしれません。ですが、販促して獲得した一件のオーダーはそのまま後続の部署に対して流れていくものなのです。そして商品が顧客に届くまで、届いて便利に活用されるまでは、そのサイトは購入した顧客に対して責任があるのです。