ネット販売の光と影

SEOを考え過ぎないこと

WEBサイトの運営を行う以上、絶対といっていいほど気にしなければいけない要素が「検索順位」です。検索順位とはそのページの関連キーワードで「上から何位に表示されるか」ということです。

それは「検索エンジン最適化」という取り組みで、いわゆる「SEO」というものです。WEBサイトをビジネスに活かす以上、検索エンジンは無料の流入チャンネルです。これを活用しない手はないのです。さらに、「検索」という行為自体「能動的な行為」です。人が自分から進んで「調べた」ということです。「自分から進んで」というところがポイントで、そこには「何かのニーズがある」のです。退屈だからニュースを読もうということもニーズですし、何かを買いたいから調べてみようということもニーズです。

ビジネスでWEBサイトを活用する際はそれらのニーズにマッチしたページ、コンテンツを容易して、自社のビジネスに利があるように誘導するものです。それらはLPO、「ランディングページ最適化」というものです。キーワードに対して適切なコンテンツを配置することで、各ユーザーにこちらが期待する行動をとってもらおうというものです。それらの取り組みと、「検索エンジンで上位表示されるためのSEO」は、これまではイコールではなかったのです。

ですが、現在の検索エンジンはとても優秀になってしまいました。つい数年前までは、大手検索エンジンでもページの内部チューニングでページが上位表示されることが期待できたのです。中身はどうあれ、検索エンジンに対して適切な「ソースコード」の記述で、無名のサービス、無名のサイトでも検索エンジン上で戦えたのです。

ここで「検索エンジンの使命」について考えたいと思います。各検索エンジンは、「ユーザーに使ってもらうこと」を前提にしています。そのようにして沢山の人に使ってもらうことで、「看板スペース」としての価値を高め、各スポンサーの広告費用で運営を賄うのです。そのためにはユーザーが「便利だ」と感じる必要があるのです。検索したキーワードに対して「期待したページが表示されて、すぐにアクセスできること」が、検索エンジンが持つべき機能です。それを満たすことで、再度検索エンジンとして使ってもらうことができるのです。そして、沢山の人が使えば使うほど、「媒体としての価値」が高まるのです。

そのような状況ですから、「意図的に順位を上げようとする取り組み」自体は検索エンジンの命題から逆行することなのです。「ユーザーのためにページを構築すること」が、検索エンジンフレンドリーなのです。ですから、SEOとLPOをわけて考える事自体、ナンセンスであり、ユーザーに対して「期待する内容、もしくはそれ以上の内容」を提供することが、SEOでもあるのです。つまり「LPO」が、「SEO」になるということです。

一昔前のSEOの考え方を捨てきれない人は、ここを履き違えてしまいます。無理やり順位を上げたページは、違和感を持ちます。そして違和感は不信感に繋がります。情報が沢山出回る世の中です。そしてインターネットの商取引で痛い目にあった人も多くなってきているでしょう。インターネットビジネスにおいて、「違和感」は致命的であるということを理解しましょう。